045ハタノウエ

■ 和歌山の家

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:紀の川市
  • 敷地面積:269.12㎡(81.41坪)
  • 延床面積:135.81㎡(41.08坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2800万円
  • 竣工:2013/11
  • 施工:有限会社武田建設

 
20歳代のご夫婦と子ども1人のための住宅。
クライアントと施工会社の担当の方が古くからの友人ということもあって、今回は設計アドバイザー兼監理者としての立場で設計させて頂きました。初めての試みでしたが、まさにクライアント+施工+設計の三者が一つになっての設計作業となりました。
敷地は、のどかな田園風景が南に広がる場所。そこに広めの土地を購入されたクライアントは、和の空間を希望されました。『どちらかというと、家というより旅館的な空間にしないなぁ』というコトバが印象的でした。
十分に余裕のある敷地の北側に建物を配置し、庭や4台分の駐車場もゆとりをもってレイアウトできています。外観は、瓦屋根にくしびきの佇まい。深い軒や化粧柱が和の質感になり、少し長めのアプローチの下屋がより雰囲気を醸し出しています。
内部は、紀州熊野材を使った化粧梁を随所に見せることによって、力強くも温かな印象を与えてくれています。2階の寝室には、和歌山県龍神で漉かれた『龍神和紙』を使用し、紀州材とともに和歌山の家の要素になっています。また2階の個室群が並ぶ間にある廊下には大容量の本棚とかわいいモザイクタイルの水場を設けることによってカフェコーナーとしても機能しています。
工事中にお子さんが誕生し、3人になった家族。新しい家で新しい生命が育っていくのがとても楽しみです。

038スルウ

■ 囲む+抜ける

2013JW-1グランプリ 最優秀賞 受賞
□設計から引越しまでの記録


 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:175.03㎡(52.95坪)
  • 延床面積:143.60㎡(43.44坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2700万円
  • 竣工:2013/11
  • 施工:株式会社 匠アトリエフォー

 

3世代が住む住宅。
敷地は、約40年前に区画された分譲地で、道路がL型に曲がる角にあり、接道が4mと厳しい条件の土地。周りが押し迫っているので敷地内完結できるよう考えた。
クライアントからの要望は、『一年を通して快適に過ごせる家』『窮屈にならないよう配慮』『開放的で明るく遊びのある家』を望まれたので、周辺環境に対して閉鎖的になってしまわないように、『囲みながら抜ける』をテーマにコンセプト立てを行い計画を始めました。
2台分の駐車スペースを確保しつつ、1階に個室群と収納スペースを配置、家族が集う生活の場を2階にしました。リビングから繋がる南のバルコニーには屋根 を設け、外と内の中間領域とし、閉鎖的にならないよう外部吹抜(垂直方向の抜け)に隣接させて、壁に囲まれながらも開放感を持たせた。また、北にもバルコ ニーを設けることで、リビングを間に挟んで水平方向の抜けとなっている。リビングの天井はボールト天井とすることで、天井面が曖昧となって室内でも抜けを 演出している。
外観は白とシルバーを基調とした無彩色で統一し周辺との調和をとっているが、単調になってしまうので、玄関の庇を原色の赤で差し色としている。室内も白を基調にしているが、一部鮮やかな青色の黒板塗装の壁を設けている。
スルウは『抜ける』の意味。
囲まれた敷地・建物を相反した『抜ける』ということをテーマにすることで、快適な空間が出来たと自負しています。

養護老人ホーム 大日山荘

■ 平屋の福祉施設

 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:6454.68㎡(1952.54坪)
  • 延床面積:2440.41㎡(738.22坪)
  • 構造規模:木造平屋建て
  • 工事費:約50000万円
  • 竣工:2012/10
  • 施工:城善建設株式会社
  • 撮影:今西浩文

 

社会福祉法人 寿敬会様
既存建物の耐震性と老朽化に伴い、この地に建替えを行うことになった。敷地は自然豊かな環境の中で、乳児・幼児から老人までがノビノビと暮らすことのできる場所。
この施設は、理事長先生の福祉・介護・地域に対する理念に基づき、施設の快適さ・利便性・安全性をカタチにしています。
構造は木造。約750坪の大規模な建物ですが、平屋にすることで厳しい建築基準法をクリアし実現できました。構造材は紀州材を使用しています。構造以外にも床フローリングや腰板にも紀州材を使用し、単なるデザインだけではなく地産地消の考えにもとに設計しました。外観は、周辺の関連施設との調和を考え、色彩・形状が決定しています。
経済性を優先するあまり、無機質になりがちなこのような施設を木質空間で構成することで、やさしさや温かみを感じて生活して頂ければと思っています。

032ニコ

■ ふたつのハコ

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:364.56㎡(110.28坪)
  • 延床面積:123.42㎡(37.33坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2500万円
  • 竣工:2012/9
  • 施工:中平建設株式会社

 

30歳代のご夫婦と子ども1人のための住宅。
広い変形敷地での住宅。南に幹線道路、西に里道・高い倉庫、北には生活道路と長屋、東にはガソリンスタンドとお世辞にも良いとは言えない周辺環境。そこに、変形敷地という難題。これは、とてもやりがいのある計画でした。
当初は変形敷地の半分を使っての計画でしたが、打合せを重ねるにつれ将来の計画も踏まえて敷地全体を利用することとなった。直交するカドがないので、あえて『ふたつのハコ』を辺に沿って並べて、風の流れや光の採り方を検討しつつ、必要諸室を配置し現在のプランに至った。
正面の『小さいハコ』には、水廻りや和室を備えた平屋建て。奥の『大きいハコ』には、LDKや個室を備えた2階建て。それぞれ大きさの違う『ふたつのハコ』の屋根にも変化を与えバランスをとるようにした。
変化のある『ふたつのハコ』が並んで建っている様子と、クライアントのご子息がいつも打合せの時にニコっと笑ってくれていた記憶を残せるように『ニコ』と名付けさせていただきました。

031弘西のいえ

■ 丁寧な暮らし

□設計から引越しまでの記録


 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:166.31㎡(50.31坪)
  • 延床面積:119.64㎡(36.19坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2700万円
  • 竣工:2012/5
  • 施工:有限会社武田建設

 

30歳代のご夫婦と子ども2人のための住宅。
『「光・風」を家の中にいても自然に心地よく感じられる』『なるべく人工的なモノに頼らず、自然の力を活かした家にしたい』『シンプルでナチュラルな中にも上品さがある家に丁寧に暮らしたい。』と夢を語ってくれたご家族。
その「丁寧に暮らしたい」という言葉がとても印象的でした。
想いをカタチにするために、建物は和を意識したシンプルな構成としました。外観は周辺環境に配慮しつつ、華美な装飾やデザインをせず切妻屋根とし、色彩も落ち着いた雰囲気を醸し出せるような配色にし、内部はオープンなプランを基本とし、良質で気に入ったモノに囲まれて暮らせるようにできる限りナチュラルな空間にしました。
紀州熊野材を使用した梁や柱を化粧材として見せ、木の温もりがある空間にし、大工の手加工、断熱などにもこだわった想いをカタチにした家でもあります。

愛友保育所

■ 自然を取り込む


 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:680.75㎡(205.93坪)
  • 延床面積:183.88㎡(55.62坪)
  • 構造規模:木造平屋建て
  • 工事費:約3500万円
  • 竣工:2011/5
  • 施工:中平建設株式会社
  • 撮影:長岡写真事務所

 

社会福祉法人 寿敬会様
最近、社会問題となっている待機児童問題や、関連施設で働く方のお子様のためにと、法人様が敷地内に保育施設を新設しました。
敷地は自然豊かな環境の中で、乳児・幼児から老人までがノビノビと暮らすことのできる所。この環境を活かすことが最大のテーマとなることは必然でした。
深くとった軒を介して園庭と保育所を結んで、反対側にある緑との一体感を出すことで、室内に居ながらも外にいるかのような演出をしています。かつ、建物内を一室一体空間とすることで、建物内での子どもたちの自由な行動を助長することができます。(同時に保育士さんたちもお世話がしやすい!)
子どもたちがこの自然と建築の中でノビノビと育っていくことを願っております。

028片男波のいえ

■ カゾクのキョリ

□設計から引越しまでの記録

     

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:158.68㎡(77.67坪)
  • 延床面積:115.58㎡(40.58坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2500万円
  • 竣工:2011/5
  • 施工:有限会社テラマエ建設

 

30歳代のご夫婦と子ども3人のための住宅。
家づくりのスタートに頂いた資料に、「家づくりで大切にしたいこと」と題したご夫婦の家づくりに関する想いがつまった7つのご要望を頂きました。
その想いに答えながら計画するに当たって大事にしたことは、「家族の距離」。やんちゃ盛りの男のお子さん2人がのびのびと育っていく中で、籠ってしまうことのないようにオープンなプランとすることや、簡単な外作業ができるデッキをLDKに面して配置し、常に家族の気配を感じられるように配慮しました。
あとは、自然素材をコストとのバランスを考えながら、床は杉無垢板やリノリウム、壁は紙クロスを使用しています。
もうひとつ、この家の特徴として上げられるのは、地元木材の紀州熊野材を使用した梁や柱を化粧材として見せ、木の温もりがある空間です。特に2階の子ども室の天井には垂木をリズムよく配置し、まるでおなかの中にいるような安心感が感じられるようにデザインしました。
工事中に誕生した第3子とともに、クライアント家族がここで仲良く育っていってもらえれば。

023西庄のいえ

■ 質実剛健

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:231.41㎡(77.67坪)
  • 延床面積:141.61㎡(40.58坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2900万円(太陽光含む)
  • 竣工:2010/8
  • 施工:株式会社匠アトリエフォー

 

30歳代のご夫婦と子ども3人のための住宅。
光・風・木
サーフィンを始めとして多趣味なクライアントが、自然のチカラを生活に取り込み必要なモノを吟味した質実剛健な家です。
自然光や風の通り道を考慮したプランの中に、紀州熊野材を構造材や仕上材としてふんだんに使いながら最新エコ技術の太陽光発電やエコキュート、蓄熱暖房機などを導入しています。
リビングには大きなテーブルを中心に、家族みんなの笑顔が似合う家になっています。