059デまど

■ ココからの景色

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:紀の川市
  • 敷地面積:99.26㎡(30.03坪)
  • 延床面積:112.20㎡(33.94坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2200万円
  • 竣工:2015/6
  • 施工:城善建設株式会社
  • 撮影:今西浩文

 

新婚のご夫婦のための家。
街中から少しだけ離れた旧家が並ぶ道沿いではあるものの、山と川に囲まれたのどかな風景がココにとっていちばんのポイント。2階にリビングを配することで、周りの目を気にすることなく手に入れることができるのは今までの設計でも経験済。その2階リビングの出窓に切り取られた風景はここに住むクライアントだけのもの。コンパクトながらも贅沢な風景があります。
内部空間はいつものように一体空間で仕上げてます。小上がりになった畳敷きのリビングが空間に変化をもたらしてくれています。
居心地の良い居場所を求めて自分の好きな場所から望む『ココからの景色』を楽しんで頂けたら幸いです。

大日倶楽部 ハルジオン

■ デイサービス_リノベーション


 

  • 所在地:和歌山市
  • 延床面積:456.00㎡(137.94坪)
  • 工事費:約4000万円
  • 竣工:2014/11
  • 施工:株式会社宮本工業
  • 撮影:今西浩文

 

社会福祉法人 寿敬会様
サービスを受ける利用者の中で介護度に合わせて細やかなサービスを行うため、既存のサービスルームを改修しました。
限られた予算と限られたスペースの中で『ゆったりと』した空間を提供したいと考え、一体空間ではあるものの、家具で緩やかに間仕切られた機能訓練室と食堂・キッチンは利用者だけでなく職員にとっても安心できる空間になっていると思います。
また、浴室排水や外部へのアプローチなど機能による床高の違いを緩やかなスロープで繋ぐことによって変化をもたらしている。

056鳴神の改修

■ natural conversion

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:和歌山市
  • 延床面積:96.94㎡(29.32坪)
  • 改修面積:96.94㎡(29.32坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約1200万円
  • 竣工:2014/9
  • 施工:城善建設株式会社

 
30歳代のご夫婦と子ども2人のための住宅。
クライアントは当初よりリノベーションに興味があり、そのため中古住宅を探されていました。
住みたい地域と間取り・外観など検討要素を絞って探した結果、手ごろな住宅が見つかりリノベーションの検討に入りました。
新築とは違い、既存建物での新しい提案はなかなか難しいものはあったが、クライアントとの打合せの中で予算も含めて『やりたいこと』『完成イメージ』を共有することができた。
敷地は約50年前に分譲された住宅街。住まわれている人の年齢層も随分と高齢になっており、空き家も目立つ。
予算のこともあり、外部はメンテナンスを兼ねての塗装替えのみ。内部は、左官塗りの壁やモザイクタイルを貼った壁に、無垢のフローリングをオリーブ色でエイジングを施したようにしている。また、クライアントの好きな家具や器具に合わせて室内の配色を考えているので、家具が入った状態が完成なのですが、今後気に入ったものをじっくり吟味して購入されていくとのこと。もしかすると当初からの想定をいい意味でひっくり返してくれるかも知れませんね。
住み前、住んでからも家を愉しまれるクライアントのセンスが心地よい。

040n・D

■ コートハウス

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:386.76㎡(116.99坪)
  • 延床面積:144.57㎡(43.73坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約3100万円
  • 竣工:2014/5
  • 施工:株式会社匠アトリエフォー

 
ご夫婦と幼い息子さんの3人が住む家。
敷地は古くからの集落が建ち並ぶ場所だが将来は分譲地に開発されていきそうな周辺環境。クライアントからは多種多様な要望を頂いたが、そのどれもが明確な意図があってのことで、家づくりに対して非常に熟慮して依頼を頂いたようだ。
具体的には、『木の温もりを感じつつ、全体的にスッキリとまとまったもの』『季節を感じつつ家族友人と楽しめる中庭があれば良い』『できればシアタールームが欲しい』『家にいてもあまり外が気にならないように』とのこと。
今回のデザインは非常に難産を極めた。その甲斐あってクライアントとも満足いくデザインになったと思う。
まずは中庭の取り方。建物でグルリと取り囲む方式ではなく一部高い塀を利用してのコートハウスにしている。これは外観のデザインとして大小二つのハコを微妙にずらして配置することで変化を持たし、一部板塀とすることで質感の変化も期待した。この大小二つのハコの『間』にデッキを配置し、中庭を形成している。中庭デッキには約1.8mの深い軒があり、雨の日でも濡れることなく外に居ることができる。またそれぞれのハコの大きな窓に面しているので、外と中とのバッファゾーンとして中庭が存在することになる。
内部空間としては、基本的に平屋構造としているが、一部半地下の書斎と中二階のシアタールーム、それぞれに面しているリビング空間の吹抜けが特徴的で気持ちのいい空間構成になっていると思う。リビングと和室は繋がっているが、『にじり口』のイメージで少し頭を屈めて入ることで、非日常的な空間に仕上げた。もちろんこの和室も中庭に面している。
n・Dとは、数学で個数を表す記号『n』と、方向を意味する『Direction』の造語。多様な方向性に対応できることをテーマに命名しました。

051鳴神のいえ

■ 最小限の家

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:98.02㎡(29.65坪)
  • 延床面積:42.00㎡(12.71坪)
  • 構造規模:木造平屋建て
  • 工事費:約1300万円
  • 竣工:2014/3
  • 施工:有限会社武田建設

ユニバーサルデザイン・・・老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設のこと。
クライアントは遠方に住んでいるのだが、親御さんの今後肢体を思うように動かせなくなった時の事を考えての実家の建替えでした。
ということで、今回のテーマは『ユニバーサルデザイン』
既製のバリアフリー器具の可動範囲や巾、そして介護のし易さを考えて廊下やトイレ、浴室などを設えた。
一般解にはならないと思うが、威厳や見栄をはることなく必要にして十分な室を最小限にして生活を愉しみつつ、近い将来の生活の変化に対応できるようにしている。
外観は、西日の強い地域なので、通風もとりながらも日射を遮る木製のルーバーが印象的。これば前面道路からの視線も同時に遮ることができ、アクセントとなっている。

044ノマド

■ 自由な居場所

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:紀の川市
  • 敷地面積:511.54㎡(154.74坪)
  • 延床面積:112.62㎡(34.07坪)
  • 構造規模:木造平屋建て
  • 工事費:約2400万円
  • 竣工:2014/3
  • 施工:城善建設株式会社

 
ご夫婦と生まれたばかりのお子さんのための家。
敷地探しから家づくりが始まり、のどかな田園風景の土地はご要望通りの家でゆっくりくつろぐには最適な場所。そんな敷地に『夫婦仲良く暮らせること』『お互いのプライベートは尊重しつつ、気配が感じられる空間』を計画した。
クライアントとのお話の中で、とても同意できる部分があったので、ご提案はいつも以上に自由にさせて頂いた(^○^)
南北に長い敷地のちょうど中央に建物を配置し、その二つの余白をそれぞれ別の用途の庭とした。南はパブリックで例えば来客時は食事ができたりできるよう、北はプライベートで洗濯物干場にしたりと。
内部空間は、玄関から直接リビングにアプローチし、そこから各個室、ダイニング、キッチンへアクセスする提案をした。ちょうど『漫画喫茶で中央部から各ブースにアクセス』するようにね。中央のリビングの天井は、大きなアール天井としてやさしい空間を印象付ける狙い。その空間に移動式の個室『ゲル』を設け、季節に応じて移動できるようにしている。(写真上から3段目参照)
今回の計画の中で、『居場所』というものに対して再考する機会を与えて頂いた。単にリビングで皆と一緒に過ごして、ひとりになりたい時の為の個室を設えて・・・だけでなく、ゆるやかに家族と繋がる居場所づくり。
今回は、ご主人の為の『ロフト』は籠るだけでなく、しっかりとリビングへの開口を空けてつながり、移動式『ゲル』は個室であるものの、同じ空間に居ることができる。
そんな自由な居場所、居心地の良い居場所を求めて移住する遊牧民を意味する『ノマド』と名付けることにする。

045ハタノウエ

■ 和歌山の家

□設計から引越しまでの記録

 

  • 所在地:紀の川市
  • 敷地面積:269.12㎡(81.41坪)
  • 延床面積:135.81㎡(41.08坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2800万円
  • 竣工:2013/11
  • 施工:有限会社武田建設

 
20歳代のご夫婦と子ども1人のための住宅。
クライアントと施工会社の担当の方が古くからの友人ということもあって、今回は設計アドバイザー兼監理者としての立場で設計させて頂きました。初めての試みでしたが、まさにクライアント+施工+設計の三者が一つになっての設計作業となりました。
敷地は、のどかな田園風景が南に広がる場所。そこに広めの土地を購入されたクライアントは、和の空間を希望されました。『どちらかというと、家というより旅館的な空間にしないなぁ』というコトバが印象的でした。
十分に余裕のある敷地の北側に建物を配置し、庭や4台分の駐車場もゆとりをもってレイアウトできています。外観は、瓦屋根にくしびきの佇まい。深い軒や化粧柱が和の質感になり、少し長めのアプローチの下屋がより雰囲気を醸し出しています。
内部は、紀州熊野材を使った化粧梁を随所に見せることによって、力強くも温かな印象を与えてくれています。2階の寝室には、和歌山県龍神で漉かれた『龍神和紙』を使用し、紀州材とともに和歌山の家の要素になっています。また2階の個室群が並ぶ間にある廊下には大容量の本棚とかわいいモザイクタイルの水場を設けることによってカフェコーナーとしても機能しています。
工事中にお子さんが誕生し、3人になった家族。新しい家で新しい生命が育っていくのがとても楽しみです。

038スルウ

■ 囲む+抜ける

2013JW-1グランプリ 最優秀賞 受賞
□設計から引越しまでの記録


 

  • 所在地:和歌山市
  • 敷地面積:175.03㎡(52.95坪)
  • 延床面積:143.60㎡(43.44坪)
  • 構造規模:木造2階建て
  • 工事費:約2700万円
  • 竣工:2013/11
  • 施工:株式会社 匠アトリエフォー

 

3世代が住む住宅。
敷地は、約40年前に区画された分譲地で、道路がL型に曲がる角にあり、接道が4mと厳しい条件の土地。周りが押し迫っているので敷地内完結できるよう考えた。
クライアントからの要望は、『一年を通して快適に過ごせる家』『窮屈にならないよう配慮』『開放的で明るく遊びのある家』を望まれたので、周辺環境に対して閉鎖的になってしまわないように、『囲みながら抜ける』をテーマにコンセプト立てを行い計画を始めました。
2台分の駐車スペースを確保しつつ、1階に個室群と収納スペースを配置、家族が集う生活の場を2階にしました。リビングから繋がる南のバルコニーには屋根 を設け、外と内の中間領域とし、閉鎖的にならないよう外部吹抜(垂直方向の抜け)に隣接させて、壁に囲まれながらも開放感を持たせた。また、北にもバルコ ニーを設けることで、リビングを間に挟んで水平方向の抜けとなっている。リビングの天井はボールト天井とすることで、天井面が曖昧となって室内でも抜けを 演出している。
外観は白とシルバーを基調とした無彩色で統一し周辺との調和をとっているが、単調になってしまうので、玄関の庇を原色の赤で差し色としている。室内も白を基調にしているが、一部鮮やかな青色の黒板塗装の壁を設けている。
スルウは『抜ける』の意味。
囲まれた敷地・建物を相反した『抜ける』ということをテーマにすることで、快適な空間が出来たと自負しています。